河野太郎ワクチン担当相が8月29日のフジテレビ番組で、3回目の追加接種(ブースター接種)について、国内でも実施する場合は、早ければ10月の終わりから11月になると発言した。ブースター接種は2回目の接種を終えてから8ヶ月後に実施する計画で、厚生労働省が検討している。3回目の接種の副反応についてまとめました。
米国食品医薬局(FDA)がファイザーワクチンの追加接種を承認(2021年9月22日リリース)
米国食品医薬品局は、ファイザーワクチンの追加接種を承認した(緊急使用許可)。
米国で追加接種が承認された対象者は?
承認は、ファイザー-BioNTechCOVID-19ワクチンにのみ適用されます。
緊急使用許可をサポートするデータ
- 米国食品医薬品局は、ブースター接種の緊急使用の承認をサポートするために、ファイザーワクチンの安全性と免疫応答データを分析
- さらに、米国およびCDC、英国、イスラエルを含む国際的な情報源の両方から提供された、長期間にわたるワクチンの有効性に関する実際のデータを分析
- 2回目の投与から約6か月後に追加免疫を1回投与された18〜55歳の約200人の参加者の免疫応答を評価しました。
結果
- ワクチンの追加免疫投与の1か月後のSARS-CoV-2ウイルスに対する抗体応答は、同じ個人の2回投与の1か月後の応答と比較して発症予防効果が高くなった。
2回接種時期によるCOVID-19発症率の違い
ファイザーが、2回接種後に発生したCOVID-19の割合を比較した分析によると、2021年7月と8月の調査期間中、COVID-19の発生率は、
結果
- ワクチンシリーズを早期に完了した参加者の方が、後で完了した参加者よりも発症率が高かった
- 米国食品医薬品局は、COVID-19発症時期の違いから、以前にワクチン接種された人々の間でワクチンの有効性がわずかに低下することを意味すると判断しました。
ファイザー2回接種後の発症予防効果の持続は?
米ファイザー製、モデルナ製のワクチンは2回接種で完了する予定であったが、十分な効果がいつまで続くか分からないため、3回目のブースター接種が議論されている。
2回接種後の発症予防効果の持続は
- ファイザーは2回接種後、発症予防効果がピークの96.2%から、半年後には83.7%に下がると発表。
- 重症化の予防効果は半年後で96.7%だった。
3回目の接種後の副反応は?
対象
phase1試験12人(65~85歳):2回接種後、約7-9ヶ月後に接種を受けた人
phase2/3試験306人(18~55歳):2回接種後、約6ヶ月後に接種を受けた人
副反応
副反応 | phase1(N:12) | phase2 (N:306) | phase3(N:306) |
痛み | 83.7% | 78.3% | 18-55歳(83%)、65-85歳(66.7%) |
腫れ | 6.3% | 6.8% | 18-55歳(5.9%)、65-85歳(0%) |
発赤 | 5.4% | 5.6% | 18-55歳(5.9%)、65-85歳(0%) |
倦怠感 | 49.4% | 61.5% | 18-55歳(63.8%)、65-85歳(41.7%) |
頭痛 | 42.5% | 54% | 18-55歳(48.4%)、65-85歳(41.7%) |
筋肉痛 | 22.9% | 39.3% | 18-55歳(39.1%)、65-85歳(33.3%) |
悪感 | 16.5% | 37.8% | 18-55歳(29.1%)、66-85歳(16.7%) |
関節痛 | 11.8% | 23.8% | 18-55歳(25.3%)、66-85歳(16.7%) |
下痢 | 10.7% | 10% | 18-55歳(8.7%)、66-85歳(0%) |
嘔吐 | 1.2% | 2.2% | 18-55歳(1.7%)、66-85歳(0%) |
発熱 | 4.1% | 16.4% | 18-55歳(8.7%)、66-85歳(0%) |
解熱鎮痛剤の使用 | 27.8% | 45.2% | 18-55歳(46.7%)、66-85歳(33.3%) |
米国食品医薬品局(FDA)のブースター接種後の副反応の見解は?
- ブースター接種後1ヵ月以上が経過した後のモニタリング期間中に、1件の急性心筋梗塞が重篤な副反応として報告されたが、ファイザー社は因果関係は認められないと評価し、FDAもそれに同意している。
- その他の重篤な副反応、死亡例は報告されていない。
- ブースター接種後に報告された副反応の頻度および重症度は、2回目接種後と差がみられなかったとしている。