メタボリックシンドロームを予防や改善するための運動で、消費カロリーを目標値にして運動処方されることが少なくないが、消費カロリーを目標値にした運動処方にはデメリットがあり注意しなくてはいけません。厚生労働省も消費カロリーを目標値にするのは適切でないと報告しています。厚生労働省が推奨するエクササイズという運動単位について解説します。
消費カロリーを用いない理由(厚生労働省)
一般的にエネルギー消費量として用いられる単位「カロリー(kcal)」を用いた 場合には、個人の体重によって差が生じてしまいます。
例えば、40kgの人と80kgの 人とでは、同じ内容の身体活動を行った場合でも消費するエネルギーに2倍の差が 生じます。
このため、生活習慣病予防のために必要な身体活動量を個人の体重に関係なく行ってもらうためには、「メッツ」と「エクササイズ」という単位を用いるのが適切です。
消費カロリーの計算方法
消費カロリーの計算方法は次のようになります。
時間は時を単位としているので30分は、0.5となります。
体重の単位を間違える人はいないと思いますが、kgが単位となっています。
消費カロリーを目標値にするデメリット
消費カロリーの式をみると分かりますが、体重が増えるだけで消費カロリーは増えてしまいます。
消費カロリーを目標値にすると、体重が極端な話し2倍に増えると運動時間は半分で目標値に達してしまいます。
肥った方が運動時間が少なくていいなんて変な話しです!
Mets(メッツ)による計算方法
厚生労働省はメタボリックシンドローム予防(生活習慣予防)のために「健康づくりのための身体活動基準2013」で3Mets以上の身体活動を1週間に23Metsを行うことを推奨しています。
計算方法
Mets表(生活活動)
出典:厚生労働省「運動基準・運動指針の改定に関する検討会・報告書」
Mets表(運動)
出典:厚生労働省「運動基準・運動指針の改定に関する検討会・報告書」
厚生労働省が推奨する運動単位(エクササイズ)の計算方法
どのくらいエクササイズという運動単位が普及しているか分かりませんが、
エクササイズは、身体活動の量を表す単位で、身体活動の強度(メッツ)に身体活動の時間(時)をかけたものです。
例えると
Metsは運動強度、エクササイズは運動量を表す単位
あくまでもMetsは運動強度を表す単位として限定すると、運動量を表すのにMetsを単位として使うのは適切ではないとして、厚生労働省はエクササイズを単位として採用しました。
ただ、運動強度だけでなく運動量を表す単位としてもMetsが使われていることが多く、あえてMetsではなくエクササイズを運動量を表す単位として使わなくてはいけないという訳では無いと思います。