アキレス腱断裂は、30〜50歳でスポーツをしているときに受傷することが多いです。リハビリテーションのポイントは片足での踵上げができるようになることです。それまではリハビリテーションを頑張りましょう。
入院期間
- 術後1週間ぐらいで症状が安定している
- この時期から体重を少しずつかけるようになるので、松葉杖歩行で移動できるようになれば退院できます。
- 松葉杖歩行でうまく歩けない人は、入院期間が伸びることがあります。
普通に歩けるまでの期間
- アキレス腱用のブーツを脱ぐのが8週間なので、それまでのリハビリテーションが順調にきていた人は8週間ぐらいで普通に歩けるようになります。
- 普通に歩けるまでの期間は、患部の状態やリハビリテーションの進み具合にも変わりますが、早い人で8週間以降になります。
リハビリテーション
術後翌日
- 術後翌日から患部以外の運動を行います(足趾を動かすのは効果的です)。
- 患部の足は痛みを憎悪しないぐらいにゆっくり自分で動かします、足の動かせる範囲を狭くして行うこともあります。
- ギプスシャーレ(ギプスを半分にカット)を装着しますが、完全免荷(体重をかけてはダメ)です。
1週間
- 患部が順調なときは、リハビリテーションの時のみ平行棒内で1/3荷重練習を行います。
- 両松葉杖歩行の練習を行います。
- 両松葉杖歩行が上手で屋外歩行、坂道、段差など移動できれば退院することができます。
- 患部のリハビリテーションは、セラピストが他動的に関節を動かします。
2週間
- アキレス腱用ブーツを装着し、体重の1/2荷重の練習を行います。
- 両松葉杖歩行で1/2荷重をかけて積極的に歩くのがこの時期のリハビリテーションで最も重要です。
- 患部はアキレス腱用ブーツを外して自分で動かす練習を行いますが、体重をかけた筋力トレーニングは禁止です。
4週間
- アキレス腱用ブーツを装着した状態で全荷重(体重の全部をかけることができる)の練習を開始します。
- 安全に歩けるようであれば、両松葉杖→片松葉杖→杖→杖なしのように歩行補助具を変えていきます。
7週間
- リハビリテーションのときだけ、アキレス腱用ブーツを外して両足での踵上げ練習を開始します。
- 平行棒内で手すりを支えにして踵上げしますが、始めは上がらないのが普通なので心配しないでください。
- 両手でサポートしながら、両足での踵上げ練習でできるようになるようにがんばりましょう。
- 両手のサポートなしでも両足での踵上げができるようになるため、両手→片手→なしのように段階的に進めます。
8週間
- アキレス腱用ブーツを外す時期になります。
- アキレス腱用ブーツを外すと始めは不安で上手く歩けない人がいます、そのときは一時的に松葉杖や杖を補助として使うことがあります。
- 翌日に痛みや不調をきたすことがあるので、歩くペースや量は翌日の痛みを確認しながら増やしていきます。
- 手の支えがなくても両足での踵上げができている人は、片足での踵上げ練習を行います。
- 始めは両手の支えありで片足での踵上げ練習を行い、しっかり踵上げができるようになったら両手→片手→なしのように段階的に進めます。
その後
- まずは、普通に歩けるようになることが重要です、それまではリハビリテーションを続けましょう。
- 歩き方に変な癖や患部をかばって歩いていると、いつまで経っても筋力が付かない、普通に歩けるようになりません。
- 普通に歩けるようになり、手すりに触れなくても片足での踵上げができるようになれば早歩き→ジョギング→ランニングと段階的に進めます。
- 運動負荷を変えるときは、自己判断ではなく診察で医師に確認したり、リハビリテーションを継続して受けている人は担当のセラピストに確認してから行ってください。
- 運動負荷を変える基準は、時間だけではなく、アキレス腱の強さや動作のパフォーマンスなど総合的に見て判断していきます。
- スポーツ復帰は5ヶ月〜6ヶ月くらいで可能になりますが、それまでのリハビリテーションが重要です。